こんばんは、しまちゃんです。
先日発売となった2021年の新ESCAPE R DISCを購入し、やっと納車され撮影も終わったので今日は全体像をメインに共有したいと思います。
はじめに
私は2007年製のGiant Escape R3を新車で購入してから初めていわゆるスポーツバイクに乗り、そこから自転車にハマりロードも始めたのですが、なんとその2007年製のEscape R3は未だに現役です。
そんなわけでGiant製の自転車にはそのしっかりとした作りや質実剛健なところ、適度なコストパフォーマンスから絶大な信頼を寄せています。
なので今回、息子に自転車が必要になる(という言い訳だけど)と、ほぼ迷わずまたEscapeにしようと考えたのでした。
ちなみにお金持ちならESCAPE RX DISCにしたいところでしたが、78,000円もするのでやめました。
ディスクにしようと考えたわけ
ほぼクロスバイクの定番となっているGiantのEscapeですが、ブレーキの種類がリムブレーキのタイプとディスクのタイプがあります。金額はディスクの方が税抜きで9000円高い。私は今回ディスクをチョイス。現在所有しているVitus Substanceも(機械式)ディスクブレーキなので、ディスクブレーキの自転車は2台目。
と、ちょっとここで突然ディスクブレーキのメリットとデメリットを考えます。
ディスクブレーキのメリット
- 天気に左右されない:路面の状況に関わらず、安定した制動力を発揮してくれます。しかし!当然タイヤのグリップ以上の制動力は発生させることはできないので、限界はあります。
- ホイールが長持ち:ホイール(正確にはリム)とブレーキで役割分担ができるため、リムブレーキのホイールよりも長持ちする(多分)。
- カッコいい!(多分)
- ホイールやフレームが汚れない!:実はこれが個人的な一番のメリット。リムブレーキは特に雨の後などはホイールやフォーク回り、フレームがブレーキシューの汚れでドロドロになるけど、ディスクブレーキは雨後でもかなりきれいなまま保つことができます。特にフロントフォーク根本やチェーンステー根本の掃除しづらい箇所にブレーキの汚れが付着しないのはとても嬉しい。
- 【追記】タッチがいい
リムブレーキと比較し、ブレーキのタッチが物凄く良いです(後述)。これは思ったよりも差が大きく、もうあまりリムブレーキ(と機械式ディスクブレーキ)を握りたくなくなる。
ディスクブレーキのデメリット
- ローターの曲がりに気を付ける必要がある。
その構造上、ディスクブレーキは挟む側と挟まれる側、つまりブレーキキャリパー(パッド)とローターのクリアランスが極僅かのため、ローター側の少しの歪みも即走行に影響が出る可能性があります。これはエンジン付きのバイク(オートバイね)では大きな問題にはならないかもしれませんが、人力の自転車だとかなりの問題を引き起こしかねないです。 - 油圧ディスクの場合取り扱いにより注意が必要。
油圧ディスクブレーキの場合、ケーブルの中に当然オイルが流れているわけで、外側からのダメージによる損傷等でオイルが漏れる事態が発生すると即使用不能となります。 - タイヤパンク時に自転車はひっくり返せるのか!?
元々バイク乗りなので、油圧ディスクブレーキで一番まずいのがケーブルがエアを噛んでしまうことだというのが直感で分かるのですが、果たしてパンクなどした場合によくやるように自転車をひっくり返しての作業はできるのでしょうか?エアは噛まないのか!?出先でエア抜きなんて到底無理と思われます(バイクでは何度もやってるけど自転車のはもちろんやったことなし)。というか、横にするくらいなら大丈夫なんだろうか。→一応購入した自転車屋さんによればひっくり返すのも問題ないらしい。 - リムブレーキよりも重い。
やはりリムブレーキよりも若干重めになります。
というわけで、冷静に考えればどう見てもまだ実用上はリムブレーキに分がある気がします。ブレーキの効きに関しても、リムブレーキでも余裕でタイヤをロックさせられるくらい効くのであまりメリットがあるとは言えません。雨の日もあまり乗らないのでディスクブレーキの恩恵にあずかることもあまりないし。
ではなぜ今回ディスクにしようと考えたかと言えば主に2点。将来性と汚れの少なさです。
将来性というのは、何となく今後スポーツ自転車はディスクに全体的にシフトしていきそうな感じがするのです。そうするとパーツも豊富になるし、より良く安い製品が出回る可能性が増えます。リムブレーキは残るだろうけど。あとちょっとカッコいい気もするし。
実は私が今回もディスクを選んだ一番の理由が汚れの少なさです。うちは自転車は室内保管なので、やはり汚れが気になるのです。自転車も掃除するの面倒臭いんだもん。
また後述しますが、ブレーキが「効きすぎる」ため、慣れない人にはこれが危険をもたらす可能性もあります。
しかし実際に乗ってみて、自分はディスクにして正解だったと思います。
ESCAPE R DISCの基本スペック
ここでR DISCの基本スペックをおさらい。まあ本家サイトからのコピペですが。
フレーム | ALUXX-Grade Aluminum OLD135mm |
フロントフォーク | Aluminum |
BBセット | VP BC73 110.5-68mm |
ギアクランク | PROWHEEL SWIFT 28/38/48T/CG 160mm(XXS)、165mm(XS)、170mm(S、M) |
チェーン | KMC Z8.3 |
F.ディレーラー | SHIMANO TY710 31.8 |
R.ディレーラー | SHIMANO ALTUS |
シフター | SHIMANO M315 8S |
ブレーキセット | TEKTRO TKD143 160mm |
ブレーキレバー | TEKTRO TKD143 |
ギア | SHIMANO HG41 8S 11-32T |
ヘッドセット | FEIMING セミカートリッジ |
ハンドルバー | Aluminum 25.4 520mm(XXS)、540mm(XS、S、M) |
ハンドルステム | Aluminum 25.4 60mm(XXS)、 90mm(XS、S)、110mm(M) |
サドル | GIANT CONNECT COMFORT |
シートピラー | Aluminum 27.2x300mm |
シートクランプ | Aluminum 31.8 QR |
ペダル | Aluminum CAGE |
ホイールセット | GIANT SPINFORCE LITE DISC WheelSet 28H |
スポーク | Stainless 14G |
タイヤ | GIANT ESCAPE R TIRE 700x30C |
重量 | 11.5kg |
金額(税抜) | 61,000円 |
といった感じ。重量は11.5kgと少し重め。気になる部分は、やはりコストダウンされていて距離を重ねると音鳴りが懸念されるBBとシマノ製ではないクランクくらいでしょうか。この辺は将来変更するかも。
うちの2021 ESCAPE R DISC
今日撮影してきたので、ちょっと細かい部分を見て行きます。新車時の外観確認も兼ねて(後でチェックしたくなる時がある)。
まさかの緑・・・
一応名目上は「息子の自転車」のため、写真を見せて色を選ばせるとまさかの「緑」と即答されました。マジかよ・・。新しく出たマットシルバー超カッコいいのに・・。
しかし実際に到着してみると、この色も深みと艶が良い感じでなかなかどうして、非常にかっこいいです。塗装も高品質。この緑のだけタイヤのウォールが茶色となっています。
全体的に、なんというか、非常に「がっしりしている」という印象。ごついというか。決して鈍重というわけではないけど、作りがいかにも丈夫そうな印象を受ける。「(良い意味で)しっかり、がっしり」というのが第一印象。
2007年製のEscape R3は台湾製だったのですが、よく見るとこのEscape R Discは中国製となっています。まぁコストダウンは仕方ないか。
サイズ選びについて
サイズはSサイズ
今回、あえてサイズはXSではなくてSにしてみました。私は身長が165cmしかなく息子も少し私より高いだけですが、なぜかEscape(というかクロスバイク全般?)はリーチ(というのかな?)が短く、ハンドルまでの距離が近めです。
これは私がロードバイクに乗り慣れていることもあるのかもしれませんが、トップチューブ長で選ぶとロードバイクと比べてかなり窮屈な乗車姿勢を強いられてしまいます。このため今回はSを選択。
するとやはり当然シートポストは出せない
こんなにシートポスト上げて乗れないんだよなぁ・・、悲しい。
当たり前のことですが、XSよりもワンサイズ大きいのでシートチューブ長もその分(今回は35mm)高くなり、私のように身長が低く足が短いと出すことのできるシートポストの長さも短くなります。
このため、もし長くシートポストを出した方がカッコいい!と感じる方はより小さいサイズを選んだほうが無難です。窮屈さはステムを交換したりサドルの位置調整をすれば解決するので(あくまで適応身長内のサイズでの話)。実は私もこの方がカッコいいと思います。
しかし!一方で、Giantの基本設計はスローピングフレームなので、サイズが小さいとスローピングもよりきつくなります。どう見てもスローピングが過ぎるのはカッコよく見えないんだよなぁ・・・。まぁこの辺は身長が低いがゆえのないものねだりになります。
緑という色
このEscapeの緑ですが、深みがあってとてもきれいです。どのくらい持つのか分かりませんが、非常にクオリティが高いと感じます。トップチューブの「ESCAPE」のロゴはデカールではなく印字(?)。2007年製は立体的なロゴが貼り付けられていました。
ブレーキ周り
こんな感じ。油圧ディスクなので、テクトロでもまったく不安は感じない。ちなみにメンテはシマノとほぼ変わらないらしい。フレーム後端と下部にはダボ穴あり(合計4つ)。
溶接痕がチェーンステーとシートステーの変なところにある。
ブレーキキャリパーは、台座に取付けられている(リア)。
専用のスタンドも付けてもらいました。DIRECT MOUNT KSA KICKSTAND SPORT LITEだと思われる。
フロントもリアも、ホイールの固定はクイックリリースのレバーがないバージョンみたいなもの。5mmのヘックスレンチが必要。なおスルーアクスルではない。ディスクローターの固定方式は6ボルト式。
まだ整備方法がまったく分からない。
ディレーラー
フロントディレーラーはTourney。Altusじゃないのね・・。シマノだからいいか。
リアのタイヤとフロントディレーラーとのクリアランスはこのくらい。10mm程度。なお、2007年のR3のフロントディレーラーをAltusに変えたら、リアタイヤとのクリアランスは3~4mm程度しか残りませんでした。
リアはAltus。定番。
ドライブトレーン
クランクは性能差が出やすいパーツなので、BBと一緒にとりあえずシマノにしたい・・。
なるほど。今はこんな風にディレーラーハンガーがついてるのね。
試しにフロントインナー、リア一番大きいギア(つまりホイール寄り)にして確認してみると、やはりリアディレーラーのケージはホイールとほぼ平行になる。現在自分の2007年製のR3が少しまだ曲がっている。
ハンドル周り
2007年くらいのモデルは異様に幅広だったけど、2021年モデルは適正なハンドル幅だと思います。
お気に入りがこのグリップ。すごく手にフィットして握り易い。しかしこのマスターシリンダー(?)、こんなところに本当にオイルが入ってるんだろうか。
アップで。よく見たらトルクスのボルトやんけ!!慌てて計測してみると、写真真ん中のボルトだけがT15、左右がT10というサイズでした。
シフター。めちゃくちゃスムーズ。こんなスムーズだったっけ?
その他車体回りなど
実は、トップチューブ下にケーブルがないのが個人的には非常にポイント高い。
何気にこのクイックリリース式のシートポストクランプは非常に便利。うちは子ども3兄弟全員R3に乗ってきたけど、それぞれ高さが違うし成長に合わせても高さが変わるので出発前に簡単に高さ調整ができるのは本当に助かる。シートポストがずり落ちてくることもなし。
なお、このシートポストは写真だと分かりづらいけど表面がつるつるではなくザラザラ加工(?)がされている。
サドルは茶色か・・。お尻の座りはとてもいいです。
ヘッドチューブが結構長く感じる。トップチューブは2007年式とは違い扁平。(2007年製のトップチューブはただのアルミパイプだった)
ダウンチューブ下にケーブル3本が通る。ディレーラー2本分とリアブレーキ。
ブレーキは当然油圧なので中にオイルが通っている。
昔と違い、28cではなく30cとなっている。
【追記】実際に乗ってみて
【2020.8.4追記】
やっとというか、今日初めてまともに乗ってみたのでちょっと乗車インプレをしたいと思います。新たな発見がありました。
全体的な乗り味
全体的には非常にスムーズ。30km/h弱程度まではスーッと滑るように気持ちよく加速して、体力にもよるけど、それを維持するのも楽です。そして、止まる時はスッと止まる。新車なのでもちろん変な異音も皆無(若干のフロントのディスクブレーキを除き)。何と言うか、精度がいいからだと思いますが、自転車内に変な抵抗が一切ない。本当によくできた自転車だと思う。
しかし、これまでしばらくクロモリのロードに乗っていてアルミの自転車は久しぶりなためか、改めてアルミの「固さ」的なものが感じられました。不思議とこれは初めてアルミロードに乗った時などには感じなかったけど、別の自転車を知ると(自分の場合はアルミ→カーボン→クロモリ)道路の微細なデコボコを拾った際にサドルやハンドルに細かな振動が結構伝わっていることがわかる。不快なレベルではないけど。
ただ30cというタイヤ幅のおかげか、全体的には非常に快適そのもの。空気圧のクッションを存分に感じられる。シフトは前後ともに上げも下げも最低限の指からの入力でカチカチ気持ちよく決まり、体力が許せば一生懸命漕いでスピードを見てにやけ、疲れたらフロントを真ん中のギアに落として歩道に乗り上げ、ゆっくりポタリングしても比較的アップライトなポジションなため自転車に急かされることなく罪悪感もない。そんな自転車。
剛性も高く、下り坂50km/h以上でもまったく不安はない。ビシッと安定してスッと止まれる。車体のよれなども一切感じられない。
取り回しも良好
地味なポイントですが、上でも述べた通りトップチューブ下にケーブル類が一切ないため、トップチューブを持っての自転車の移動やその辺の掃除がとてもやり易いです。
重さは気になるか
結論から言えば、重さは全く気になりません。と言っても11.5kgだし。登りのスピードも自分の現在の体力では2007年R3、クロモリロード、このEscape R Discではほぼ差はなし。登りのスピードが高ければ差は出るかも。
油圧ディスクブレーキは危険!!
今回、これが一番ビビりました。いやー、もう本当に良く効く。これはちょっとカルチャーショックです。
タッチが素晴らしい
これは言葉にできない・・。もうこれを知ってしまったら、リムブレーキや機械式ディスクブレーキには戻れない。何というか、握り始めは何の抵抗もなくスッと効き始めるところまで行き、そこからは僅かな指の入力で(それこそ指1本で)ギューっと効く感じ。しかもめちゃめちゃ良く効く。
リムブレーキなどにあるケーブルの抵抗とブレーキ本体のバネの抵抗が一切ないので、そして油圧の力によって、軽い力で恐ろしく効くブレーキです。軽い力でブレーキを掛けられるので、より繊細な、コントローラブルなブレーキとも言えます。
効きすぎ危険!
正直、この効きは軽い自転車にはオーバースペックとすら感じました。指4本で握るの危険かも!1本で十分。
とりわけ、自転車に慣れていない(もしくはママチャリしか乗ったことのない)人にとってこの効きは危ないかもしれない。慣れるまでは。
雨などで路面が濡れていてもディスクブレーキの場合はホイールを止める力はほとんど変わらないため、より簡単にタイヤがロックすると思われます。リムブレーキの場合は単に効かなくなるだけですが。前輪がロックした場合、即転倒につながります。
しかし、先に述べた下り坂を50km/h以上で下るような場合においても、ブレーキに関しては一切不安はありません。なんせ良く効く。
あまり慣れていない人は、体重移動、ブレーキの前後配分を意識し、パニックブレーキに注意しましょう!
体重移動は、ブレーキを掛ける際に体重を後輪側に乗せるクセを付けるということです。後輪に乗せる荷重は、スピードや下り坂の角度等にもよります。スピードが高く、坂が急であればより後輪に荷重を移動します。これができないと下手をすると前転します。
ブレーキの前後配分は、通常は前後7:3くらいで、路面が濡れていたりする場合は後輪も強めに(6:4くらい)掛けます。
いずれにせよ、路面が濡れている場合は通常のスピードの7割程度を意識しましょう。逆説的ですが、ウェットの時はディスクブレーキは特にブレーキに頼る運転は避けるべきでしょう。
結論:油圧ディスクブレーキ最高
慣れたらこんな最高なブレーキないと思います。デメリットも多いけど。バイクで分かってはいたけど、ちょっと油断してました。もう戻れない・・。
おわりに
まあ息子がメインで使用するため、あまりこの自転車に乗ることはないと思いますがぼちぼちメンテや部品交換で末永く楽しんでいこうかと思います。
とりわけ油圧ディスクブレーキの整備、部品の交換等は楽しみの一つです。その際はまた情報をこのブログで共有したいと思います。
おわり
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