こんばんは、しまちゃんです。
今日は特にネタと言ったネタはないのだが、最近ちょっと仕事関係で思うことが色々とある。何も理解していない親からの理不尽なクレームなどについて吐き出したいこともたくさんあるし、医師になりたいという生徒が多すぎることにも辟易している。
てなわけで、今日はこれまでに撮った植物の写真に中和してもらいつつ毒を吐く算段。
医者になりたい奴が多すぎる
仕事柄仕方ないのかもしれない。しかし、あまりにも「医者になりたい」という生徒が男女問わず多い。しかし私は問いたい。「お前は本当に医者なんかになりたいのか」と。「親が言ってるだけちゃうんか」と。
ちょっと成績が良ければ、猫も杓子も医者、医者。中には、どう考えても医師にしてはいけないタイプもいる。本当にこいつらは医師という仕事を少しでも「仕事」という観点から、自分をその中で働くひとりの人間として、自分の性格と対比した上で、想像したことがあるのだろうか。
ここまでは純粋な愚痴。しかし医学科を目指す生徒と多数接してきて、私が「向かない」と独断と偏見で勝手に断定したい生徒を今日はぶちまけてみたい。だってこんなこと面と向かって言えないでしょ?仕事柄。
「大丈夫だよ!(やめとけ)」
「今はまだまだ足りないけど勉強量次第だ!(早く現実に直面して進路変更しろ)」
「コツコツやるのが得意なタイプだからね!(お前患者や看護師と話せるんか)」
成績が足りない
もうそのまま。どういう神経してたら数年勉強してもセンター試験のレベルが400点~500点台の人間が、800点台必要な国公立の医学科を目指そうと言えるのか。現実を見てなさすぎ。
悪いことは言わない。今すぐに進路変更して看護学科か理学部などにしなさい。こんなことは先生や親は言ってくれない。お前には無理。これは私の悪態ではなく、親切心である。
どういうことか
ちょっと落ち着いて現実的な話をすると、数年「勉強」してもセンターの得点率が5~6割程度の生徒は100%医学科に合格しない。これは断言できる。
センター試験とは、教科書レベルの試験である。そのレベルで半分程度しか取れない人間は、もちろんたくさんいる。私も英語以外はそうだろう。その辺に平均点があるし、何にも恥ずべきことはない。
しかし、だ。国公立大学の医学科はおよそ9割の得点率を全教科で求められる。これは単純に努力とか、勉強時間でカバーできる物ではない。もちろん予備校に通っても無理。数百万払わされるような医学科専門の予備校に行っても無理。100%無理。だって無理なんだもん。凡人には。ハッキリ言う。この辺の点数を取るには、才能が必要。誰でも150km/hの速球は投げられない。それは選ばれた人にしかできないのである。
皮肉なのは、センターを全然取れない生徒は「自分には到底ムリ」ということすら理解ができない。ゆえに、予備校や変な宣伝文句に騙されて金を搾り取られながら何年でも浪人する覚悟だけは一人前。目を覚ませ。
もちろん「教育現場で働くお前がそれを何とかするのが役目だろが」という批判はあると思う。しかし、松井秀喜に教わってもホームランを打てない人は打てないし、星野仙一に師事しても沢村賞は取れる人にしか取れない。
中途半端に成績がいい場合
それでは、点数が伸びなければ諦めて別の道に進めと言うが、例えばこれが600ならどうか。700なら?
経験から言えば、スタートするときの点数はあまり関係がない。例えば400でも500でも問題ないのだが、どこでストップするかは問題だ。750くらいまで数年で上がるならば、かなり見込みがある。700で数年停滞し、浪人を余儀なくされているのであれば諦めた方がいい。できれば年間の模試で1度でも800点を超えることが望ましい。
私は女子の生徒で7浪目で医学科に合格した生徒を知っている。750以上を取っていれば、いずれチャンスは来る。新形式の大学入試(再来年から実施)でどうなるかは知らない。
なんでも頼り過ぎる人
医学科に合格していく連中は、特徴がある。もちろん学力が備わっていることは大前提で。それは自立して自律しているということだ。
これも皮肉な話だが、先生や周りに頼ってばかり、しょっちゅう質問にばかり来て自分ひとりでは勉強してなさそうな奴はほぼ受からない。先生などは質問に来てくれること自体は嬉しいが、そういう生徒に限って自分ひとりの殻を作って勉強するということをしない。自分で物事を解決するということを放棄しているから、いつまで経っても問題解決能力が養われない。周りに友達がいないと勉強できない奴も一緒。試験場ではひとりで問題用紙に立ち向かわなければならないということを理解していない。先生に聞いて満足、分かったフリ。できない友達に進捗を聞いて自分を慰めるネタ探し。受かるわけがない。
一方で勝手に合格していく奴らもいる。それは、いい意味で周りの環境を「利用」できる人たち。自分は自分。先生も自分のプラスになれば利用するし、プラスにならないと思えば容赦なく授業に出ない。友人も同じ。自分(お互い)を高めてくれると思えばともに勉強するし、そうでなければ勝手に離れる。いい意味で自分本位。孤高。こういう連中は文句も言わない。自分で何とかする。ある意味優しくない子たちだが、甘くもない。
それでも、こういった生徒ですら、成績がわずかに満たずに泣く泣く諦める生徒もいる。そんな世界が医学部受験。
まわりが何とかしてくれると思っている
上の何でも頼り過ぎる生徒と似ているが、例えば医学科を志望する子たちの中には、成績もよく、一人で勉強するのも厭わない優秀な生徒だが、なぜか様々なことをすべてお膳立てしてくれると勘違いしている子がいる。こういう子どもは、だいたい母親もセット。自分の子どもがタレントか何かと勘違いしている節があるのか。入試のスケジュール、試験科目、面接などの対策。すべて目の前まで誰かが持ってきてくれると思い込んでいる。
だいたいこのタイプの生徒の親は、自分の子どもに対して絶大なる(しばしば過大な)自信と期待を持っている。クレームが多いのもこのタイプ。なぜか生徒本人も出所不明の過剰な自信を持っていることがある。しかし実際は、成績が伸び悩むことが多いように思う。というか、医師という職業を考えたとき、自分が患者としてこういう医師にかかりたいか考えると、絶対に嫌だ。まあこれは愚痴だな。せめて臨床ではなく、研究にでも進んでくれれば。
誰も完璧ではないが
もちろん完璧な人間などいない。成績が良くても歪んだ人間で、それでも合格していった子もいた。また逆に、医師になれれば立派に職務を果たしてくれそうだが、いかんせん成績が足りずに諦めた子もいる。
私がこの記事で何を言いたいかと言えば、学力に恵まれ、成績がいいのであれば、医師だけではなく様々な職業が選びたい放題ではないのか?ということ。医師という職にそんなにこだわらなくてもいいと思うのだ。
親や周りから期待を一身に背負い、あたかも医師の道に進むのが当然のような周りの思いに応えるのもいいが、自分の中から聞こえてくる言葉、本物の言葉、本当にやりたいことにもっと耳を傾けてみてはいかがだろうか。せっかく成績がいいんだから。
おわり
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