こんばんは、しまちゃんです。
今日は久しぶりにバイク整備の記事を追加したい。数年前にセロー250のキャブをオーバーホールした際の記録を、記憶と写真を頼りに書いてゆく。
しかし、当時手順などの記録を残していなかったため、この記事では主に交換した部品や残っている写真、特に作業中に発生した問題で記憶にあるもを中心にお伝えしたい。
作業の背景
作業日:2015年5月9日(購入より7年半ほど) 走行距離:19,521km
2015年5月に、スタータモータのASSY交換を行った。その際に作業の工程上、キャブも取り外す必要があったためついでにキャブのオーバーホールも行うことにした。キャブはこの時点で特に調子が悪かったわけではなく、好調そのものではあったものの、車体の手が届かないところに位置しているため洗車の際も洗うことができず錆だらけとなっていた。
作業の趣旨・目的は消耗品や錆びた部品(ネジなど)の交換及び内部の分解洗浄。
交換部品
この作業で交換したキャブ周りの部品情報は以下の通り。なお、11番のスロットルケーブルと12番のクラッチケーブルはキャブ関係の部品ではないものの、この機会に交換したためリストに含めた。
部品名 | 部品番号 | 金額 | 個数 | |
---|---|---|---|---|
1 | ホースクランプASSY(前) | 90450-47001 | ¥378 | 1 |
2 | ホースクランプASSY(後) | 90450-56004 | ¥724 | 1 |
3 | スクリュ、スロットル | 5XT-14321-00 | ¥3,920 | 1 |
4 | スクリュ×4 | 5LB-14592-00 | ¥108 | 4 |
5 | スプリング、スロットルストップ | 2JX-14333-00 | ¥238 | 1 |
6 | ワッシャー、プレーン | 5LB-14357-00 | ¥108 | 1 |
7 | スクリュ×2 | 5LB-14216-00 | ¥130 | 2 |
8 | ガスケット、フロートチャンバ | 5LB-14384-00 | ¥475 | 1 |
9 | スクリュ、パンヘッド | 97801-05008 | ¥59 | 2 |
10 | パイロットスクリューセット | 5LB-14105-00 | ¥875 | 1 |
11 | スロットルケーブルASSY | 3C5-26302-00 | ¥3,132 | 1 |
12 | ケーブル、クラッチ | 3C5-26335-00 | ¥2,246 | 1 |
13 | スクリュ、エアアジャスティング | 5XT-14323-00 | ¥497 | 1 |
14 | スクリュ、レバーフィッティング | 214-24535-00 | ¥173 | |
15 | スクリュ×4 | 5LB-14592-00 | ¥108 | 4 |
16 | スクリュ×2 | 5LB-14216-00 | ¥130 | 2 |
4番と15番、7番と16番が同じ部品だが、恐らく一度注文したものの、個数が足りずに追加で注文している。
作業の様子
こちらが摘出したキャブ。手前側に2つあるバンドはエンジン側のインテークマニホールド用と、エアクリボックス側の接続用バンドで、1つが完全に朽ちていて、切断してはずさなければならなかった。これは上のリストで1番と2番の部品。
なお、細かい部品がたくさんあるためこの作業にはステンレス製のバット(皿)が大活躍した。私が買ってきた整備道具の中でも一押しのヒット作。
キャブの取り外しは結構面倒くさく、確か後方のエアクリボックスをボルトを外した上で後ろ側にずらさないと出来なかった記憶がある。
写真右側がエアクリボックス側。この写真ではすでにスタータモーターは取り外してある。
取り外したキャブの様子
左側面。写真下部のスロットルスクリュー(3番の部品でアイドリング調整用スクリュー)やホースのクランプなどに錆が進行している様子が分かる。なお、右側に見えるネジは14番。なぜかその後ろ側の三角形に近い部品(ブラケット)は交換せず。
キャブの右側。錆さびの楕円形の部品はアクセルケーブルがかかる部分なんだけど、パーツリストに記載もなく取り外しも難しいようだったので今回は放置した。
スプリングの付いているケーブルは上の写真のスロットルスクリュー(3番・アイドリング調整用)につながっていて、これはケーブルだけでなくこの写真のスプリング(リストでは5番と6番(ワッシャー))も交換した。
ばらせる部品はすべてばらした。ここからは写真中心。左下の黒い部品はキャブの蓋で、正式名称は「バキュームチャンバーカバー」というらしい。この蓋はパーツリストに記載なし。ネジのみ交換した(リストの7番)。なおこの部品はプラスチック製なのだが、金属製と思い込みキャブクリーナーに他の金属製の部品と一緒に一晩漬け込んでしまった。幸い、現在に至るまで問題は発生していない。
左の部品はフロート。その右がニードルバルブ。右上の部品は恐らくエアアジャスティングスクリュー(リストでは13番)。
ジェットニードルやニードルジェット、パイロットジェットなどのジェット類。この辺の部品は交換せず洗浄のみ。キャブのセッティング等にはあまり興味がない(というか、知識がなさ過ぎてできない)。ノーマルのままで乗る。
キャブの内部。これは下側から上を写している。
こちらの部品はどうしても分解できず。分解してもパーツが売っていない。
同じようなスクリューが2つあるが、一つはエアアジャスティングスクリューだと思うが、こんなに自慢げに掲げられてももう一つが何なのかまったく思い出せない。
いずれにしても、遺跡から発掘されたような朽ち方なので交換しているはず。
こちらはいわゆるチョークケーブル。後で記載するが、このケーブル(のボルト部分)、固着してはずれなくなっていた。
キャブを漬け置き洗浄する
写真はまったく撮っていないが、ばらした後金属製の部品のみをキャブクリーナーで漬け置き洗浄した。この際に、誤ってプラスチック製の蓋(バキュームチャンバーカバー)も漬けてしまった。
これが今回使用したキャブクリーナー。3年経っても残っている。
恐らくこれは洗浄後、組み立てているところ。分解前と全く同じように気を付けて組み立てる。写真には写っていないが、右側のフロートチャンバーには交換したラバーガスケットを付けた(リストでは8番)。
記録用にアップ写真も載せておく。
このダイヤフラム、浮いてるけどいいのか心配している写真。結局そのまま組んだ気がする。
このフロートチャンバー内の真ん中のピンクのプラスチックの部品はパーツリストやサービスマニュアルに記載がなく、分解してしまった後になってキャブのどこに入れるのかまったく分からなくなり困り果てた。パズルをするように色々な場所に当てはめてみて、やっとぴったりと該当する場所が見つかり感動して写真を撮っているところ。
新旧部品の比較。これは13番のエアアジャスティングスクリュー。左側は出土品ではない。錆びているだけ。
スロットルスクリューや周辺の部品もこの通りきれいになった(ただ交換しただけ)。この写真に写るキャブ左側のマイナスのネジはパイロットスクリューで、これも交換している(リスト10番)。
作業終了後のキャブ全体像
汚い部屋と後ろの人間は気にしないで頂きたい。
最後は車体に組み付けて終了。この時、アクセルケーブルもついでに交換した。
なんとかうまくいった。
以後3年以上、特にキャブに問題は発生せず快調を保っている。多分まただいぶ錆びているのだろうけど。
キャブのオーバーホールで起こったトラブル
あまり大きなトラブルはなかったが、後学のために私が経験したトラブルを記す。
チョークケーブルがはずれない
とにかくはずれなかった。どんなに回しても。キャブが外れている状態なので、強いトルクをレンチにかけられず余計に苦戦した。
これ。最終的にどうしたかといえば、この写真のナット部分にバイスグリップを固定し、そのバイスグリップをハンマーでガンガン何度も殴った。バイスグリップの長さ分のトルクと、ハンマーのショックで回す作戦。これでうまくいってくれた。決しておススメできない方法だけど。
困った時の激安バイスグリップ。またの名をバイスグリップロッキングプライヤー。物を強力に挟んだままの状態で固定ができる優れもの。いろいろな使い方ができる。これは安いので、万が一叩いて壊しても後悔しないで済む。
バキュームチャンバーカバーを漬け置き洗浄してしまう
プラスチックの部品にもかかわらず、キャブの黒い「蓋」であるバキュームチャンバーカバーを溶剤で漬け置き洗浄してしまった。金属製と思いまったく疑わなかった。後でよくみるとプラスチック製であった。
しかし、現在に至るまで(3年)特に問題は発生していない。
プラスチックの部品の固定場所がわからない
これ。いざ組み立てる段になって、このピンクのプラスチックの部品の行き場所がわからなくてほとほと困り果てた。恐らくこれが正しい位置。
ダイヤフラムって何?
このように小さいダイヤフラムが完全にはまらなかった気がする。この状態でいいのか判断ができなかったが、結局そのまま蓋をしてしまった(特にそれ以降問題は発生せず)。というかこのダイヤフラムの機能すら分からない。
インマニとエアクリボックスのバンドが腐っていた
こちらの作業前の写真で見ての通り、キャブ両サイドのバンドがほぼ朽ちており切断して何とか取り外した。
おわり
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