こんばんは、しまちゃんです。
今日はバイクにホムセン箱(アイリスオーヤマの製品などが有名)を取り付けるというお話。
はじめに
今は亡きセロー250とそれをベッドにするチュールちゃん。
バイク乗りなら必ずと言っていいほど、荷物の運搬方法について1度は試行錯誤すると思います。しかし結局、リュックなどの方法を除いて一番安価で、確実・楽な方法は「ホームセンターで売っている箱を取り付ける」というものではないかと思います。
巷にはGIVIなど高価でかっこいいプラスチック(や金属)の箱も売っていますし、ホームセンターの箱が美的感覚的に許せないという人もいますが、要は物が安全に、しかも楽に運べればいいわけです。そういう最低限のニーズを満たしてくれるのが「ホムセン箱」になります。
しかし一度取り付けてしまえばあとはそのメリットを享受するだけのホムセン箱も、取付け方には工夫が必要となります。今回はこの取付け方に焦点を当ててみます。
ホムセン箱のメリット
ここでホムセン箱をバイクに取付けるメリットを見て行きます。
ホムセン箱にはデメリットもある
しかし、ホムセン箱にはデメリットもあります。逆に、この辺に気を付けて運用すればホムセン箱は便利なことこの上ない極上バイクライフを約束してくれます。
固定方法について
ホムセン箱のメリットやデメリットを十分理解したところで、肝心な固定方法について見て行きます。基本的にホムセン箱を取り付ける方法は、ベルト式かボルト式の2択だと思われます。
ベルト式は着脱が安易な反面、緩みやベルト自体の劣化が心配です(長期間は試したことがないので分からないですが)。また、固定できる箱や固定方法も多少気を使って選ぶことになります。特に箱側(バイク側に対して)の固定にはベルトを通すループを自作したりする必要が出てきます。この方法はどちらかと言えば着脱が容易なため、ツーリングなど向きです。私は実際にセロー時代にこの方法で(短期間)ツーリングに行きました。キャンプツーリングなどでは箱を地面に置き、テーブルとしても利用できます。
今は物置として活用中のベルト式ホムセン箱。このモデルはバイク用ではないため、ループの取り付けが必要だった。南京錠用の穴も自作した。
ボルト式
今日紹介するのはこちらの方法。セロー250とクロスカブで現在2箱目となっていますが、いずれもこの固定方法です。
何といってもこの固定方法のメリットは、強固に固定できることに尽きます。一度取り付けてしまえばほとんど緩むことはなく、びくともしません。しかし洗車の時などは取り外しが少し面倒になります。
箱選びについて
今日紹介する固定方法では、正直箱は何でもOKです。箱側を加工してしまうため、あまり箱を選びません。しかしやはり定番はアイリスオーヤマ製のバイク用製品(上の写真のもの)でしょう。バイク用ということもあり、剛性があり多少の加工にも耐えます。また、鍵付きというのもポイントが高いと思います。
現在使用中のもの(2箱目)。クロスカブを購入したのに合わせて箱も新調。初代(セロー250時代)のものは、数年使用していたらフタの開閉部分(ヒンジ側)のプラスチックが折れてしまい、フタを開ける時は完全にフタ全体を取り外す必要がありました。(それでも使用を継続)
このフタ側のプラスチックが割れやすい。力任せに開け閉めするのは厳禁。しかしフタは自由に取り外しができるため、長尺物などはフタなしで運搬するのもあり。
なお、現在使用中のものはAmazonで購入したのですが、使用開始すぐに鍵が壊れました。
何かの部品が外れ、鍵穴全体が飛び出てしまいました。アマゾンめ・・・。しかし使用上鍵がかからない以外問題がないためそのまま使用しています。安い分こういったこともあります。
このように黒いバージョンもあり。こちらの方がカッコいいと思います。なぜ私がこちらにしなかったのか不明。
なおこの箱の大きさですが、アライのジェットヘルを入れるとあと少し回りに書類などを入れる隙間がある程度です。正直あまり大きくはありません。
ヘルメットを入れられるのも意外と便利。場所は取るけど。
ホムセン箱をバイクに取付ける方法(ボルト式)
さて、やっと本題に入ります。これまで10年近くにわたりホムセン箱を運用していた方法を紹介します。この方法では、一度取り付けてしまえばほぼ手間いらずになります。
準備するもの
今回の作業で必要なものまとめ!
- ホムセン箱
- リアキャリア
- 金具(ブラケット)×4個
- ボルト×4本
- ナット×4個
- ワッシャー×8枚
- インパクトドライバー(なくてもキリなどで代用可)
- ラチェットハンドルとレンチなどーナット側をレンチで固定しつつ、ボルトをラチェットで締めます。
- お好みで中に敷くマット(ジョイントマットなど)
詳しく見て行きます。
キャリア
このボルト式の固定方法だと、キャリアは必須です。バイクについていない場合は購入しましょう。私の場合、クロスカブではアウトスタンディング製のものを、セロー250の時はラフ&ロードのラリー591を取っ手(?)を取るなり向きを逆にするなりして上面を平らにして使用していました。クロスカブの場合純正のキャリアでもいけると思いますが、私は二人乗りするためキャリアが必要でした。
なお、上面がすべて平らで、全面素材で覆われている(バーや穴などがない)タイプのキャリアは今回の固定方法は難しいと思います。
金具
ブラケット(便宜上こう呼びます)
このような固定用の金具を合計4枚、ホームセンターで買ってきます。こればっかりはAmazonではなく実際に手に取ってホームセンターで買うことをおススメします。
ボルト、ナット、ワッシャー
それぞれホームセンターで購入した方が早いと思います。
ボルト
4本、ネジ径M6~M8(ネジ部の径が6mm~8mmという意味です)程度のもの。素材は錆びずらいステンレスがいいでしょう。
注意点としては、バイクでよく使われる二面幅のものを購入するということです。私はよく確認せずに購入したものが13mmだったのですが、この13mmというのはバイクにはあまり使われておらず、レンチやソケットを買い直すはめになりました(ボルト買い直す方が早い・・)。上記のブラケットに合わせるならば、12mmか14mmがいいと思います。
なお肝心のボルトのネジ部の長さですが、最低限ブラケット2枚分+ワッシャー2枚分+ナット1個分+箱の底の部材の厚み分+キャリアの素材の厚み分必要となります。概ね、3cm~5cm程度は必要になると思います。短すぎると買い直しになりますが、長すぎると作業に支障をきたす(レンチが入らないなど)場合があるので、できるだけ正確に計測しましょう。なおラリー591は厚みが結構あります。
ナット
ボルトにネジ部径を合わせて4個購入します。これも素材は錆を防止する意味でステンレスをおススメします。
ワッシャー
ボルトの緩み止めを目的として、ワッシャーを合計8枚購入します。ワッシャーはボルトとナット1組に対して2枚ずつ必要になります。もちろんネジ部径に合った、やはりステンレス製をおススメします。
インパクトドライバー(ドリルのビットも)
一家に一台あると何かと便利なインパクトドライバー。これはかなり安く買った安物ですが、もう10年以上使用しています。今回は箱の底の穴あけに使用します。ボルトの径より小さいドリルしかなくても、穴を無理やり広げることも難しくありません。家具の組み立てなどやサスのオーバーホールにも役に立つのでDIY用に1台は欲しいところです。
インパクトドライバーまで作ってるアイリスオーヤマ・・。これ欲しい。この製品のように正直80Nmもトルクが出れば、だいたいのことはこなせるでしょう。車のホイールなんかを着け外ししたい場合はもう少しトルクが必要です。
ラチェットハンドル、ソケット、レンチ類
ナット側はレンチで押さえて、ボルト側を(箱の中から)ラチェットで締めこむとやり易いです。
誰にでも勧められるしまちゃん愛用ラチェット。恐らく私のような素人用途では一生物でしょう。KTCのものより安い。ある程度の長さがあり、なおかつ結構なトルクまで許容できるためだいたいのボルトで本締めまでいけてしまいます。
衝撃緩衝用マットなど
走行中の振動や衝撃が気になる方は、このようなウレタンのマットを箱の底とキャリアの素材の間に挟んでしまうのもいいでしょう。穴が開いているのはボルトを通すためです。※私は現在は使用していません。
ジョイントマット
このような「ジョイントマット」を、セロー時代には箱の中にカットして敷いていました。ボルトの頭の位置に穴をあけると、底の高さがちょうどボルト上面と面一となってくれて使い勝手が良かったです。今は面倒くさいのでまだやっていません。
【追記】
ジョイントマットを敷いてみました(下手くそ)・・・。
工程1 キャリアと箱とブラケットの位置を合わせる
ホムセン箱取付けの成否は、この工程にすべてかかっています。
この写真ではキャリアを取り外していますが、できればキャリアを車体に取り付けた状態で箱の着脱ができるかを確認しておきましょう。箱の着脱時にいちいちキャリアまで取り外すのは面倒だからです。ポイントは、車体とキャリアの間にレンチや指を入れてナットをボルトにかけられる隙間があるかどうかになります。
まず、ボルトやナット類は放っておき、箱をキャリアの上に乗せ、だいたいの位置決めをします。
※写真ですでにボルト等がついているのは、作業完了後にこの記事を作成しているためです。
このアイリスオーヤマの箱にはベルトを通す突起が箱の底にあるため、これがキャリアと干渉しないよう気を付けます。むしろ、この突起をキャリアにあてがい(引っ掛け)、ストッパーとして利用できるようであればそうします。※ボルトの場所以外に空いている穴は、失敗した穴です。この場所だとブラケットがキャリアと干渉して取付けできませんでした。
このような「直尺」と呼ばれる、金属製の端が0mmから始まる物差しが1個あるとこのような作業に役に立ちます。
ブラケットとキャリアのバーの位置関係ですが、当然必ず垂直に交わるようにします。このクロスカブのキャリアの場合バーは車体の前後方向と平行にありますが、セローのラリー591のバー(天板?)は車体前後とは90度の位置関係なのでブラケットの方向も当然変わります。
印をつける
上側から順番に、ブラケット(箱側)→箱→キャリア→ブラケット(キャリア側)の位置関係がだいたい決まったら、ブラケットを箱にあてがいマーカーなどでボルトを通す穴用の印を付けておきます。あまり自由度のない(位置決定が難しい)箱の底側から印をつけた方が失敗は少ないと思います。
失敗したマーカーの跡と穴があります。このブラケットはアルミ製で、キャリアにギリギリなのが分かります。底側から見て、ブラケットがキャリアの枠と干渉しないか、また箱の内部からも見て箱の中側のブラケットが壁などに干渉しないかしっかり確認してください。
箱の中を覗くと、ブラケットが壁に結構ギリギリなのが分かります。また、2枚のブラケットの位置関係も結構近いです。箱の安定性のためにこれをできるだけ遠ざける目的で車体後端のブラケット(アルミ製)を極力後ろに下げたのでした。
このアルミのブラケットはより大きなブラケット(前側のものと同じもの)がサイズ的に入らずに急遽購入したものですが、素材の強度が足りず反ってしまっています。適切な長さのブラケットがこれしかなかったため購入しましたが、本当はスチールの方がいいでしょう。
こんな感じになります。ちなみになぜ車体前後方向に縦に箱を配置したかと言えば、このキャリアだと箱の底の突起が干渉してしまい、横方向に取付けできなかったからです。本当は横向きに置きたい。縦方向だと、重心が後ろにいきピッチが大きくなってしまうため中の荷物が余計に暴れることになります。
工程2-穴あけ
インパクトドライバーに取付けたドリルで、印をつけた場所に穴を開けていきます。失敗して穴を開けてしまっても、ほとんど水漏れ等はない(経験談)ので心配いりません。思い切っていきましょう。ボルトの径と同じ大きさに開ける必要はなく、ある程度開いていればボルトをねじ込むことができます(固いけど)。
工程3-ボルト留め
箱内側の開けた穴からブラケットとワッシャーを通してボルトを入れて行きます。それを受ける箱の底側からもブラケットを介してワッシャーとナットをはめます。
ナット側はレンチ等で固定し、箱の中からラチェットでキリキリ締めあげていきます。
締め過ぎには注意が必要ですが、ある程度締めないと緩んでくる可能性があります(このクロスカブの時はアルミのブラケット側が緩んできましたが、ある程度以上締め上げると二度と緩んで来ることはありませんでした)。初装着後数日はこまめに緩みがないか締結具合をチェックします。
図にするとこういった感じになります(断面図)。要は、箱の素材とキャリアを上下からブラケットでサンドイッチして締め上げているだけです。これでかなり剛性高く、強固に固定ができます。
箱やキャリアの形状の違いで色々と位置関係、必要なボルトの長さなども変わるので、そこは工夫してください。
なお一番初めの製作時はキャリアを車体から取って作業したほうがやり易いですが、実際にキャリアと箱をバイクに取付けた後は、当然箱だけで着脱できるほうが望ましいです。これを実現するには、ボルトは極力外側に配置し、手やレンチが隙間から届くようにします。
まとめ
バイクにキャリアを取り付けて完成!これでクロスカブ110が、荷物を運びつつの二人乗りが可能になりました(重くて走らないのであまりおススメはしない)。
ベルト固定方式と異なり、箱周りも非常にすっきりと見えていい感じです。背もたれにもなります。
記事は長くなりましたが、今回のホムセン箱取付けは実際の工作作業としては初歩的なものです。少しの道具と部品と出費で、大きな利便性を手に入れることができます。バイクの機動性を損なわずに色々とモノを詰め込めるので、これまで車で出かけていた場所にもバイクで行けるようになります。
※運転しているときの違和感はほとんど感じません。この箱の場合、横向きに置いてもハンドルの幅を超えることがないため箱があることをほとんど意識せずに運転に集中できます。
おわり
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