こんばんは、しまちゃんです。
今日から年末年始の休みが終了し、仕事がスタートした。仕事が始まった途端に今日はいい天気になった。どうせなら休みの時に天気が良ければいいんだけど。なかなかうまくいかない。
今朝のハイドロカルチャーの様子。今日は窓際で十分光を浴びてもらう。
まだまだ休み気分は抜けないが、私は元々午前中は平日でも休みみたいなものなので、何とか早起きして午前中を有意義に過ごそうか。仕事はのらりくらりと(表情だけは真剣に)ストレスが溜まらない程度にこなす。何事も健康一番だ!
さてと、今日はセローの整備記録を追加したい。数年前に行ったセロー250のフロントサスのオーバーホールの様子をお伝えする。あまり知識や技術がない自分にとっては大工事、重整備だったのだけど、例によって数年前の作業を今回初めて記録をまとめるので、あまり正確でない部分や詳細が伝わりにくい部分もあるがその辺は理解して頂ければ。あくまでも部品情報の確認や写真などによる視覚情報の提供がメイン。
あとは私が活用したちょっとしたコツもお伝えしたい。
フロントサスオーバーホールの背景
作業日:2015年7月26日、2016年7月16日 走行距離:19,818km
やはり他の金属部品同様、新車購入から8年近くが経過してフロントサスのインナーチューブに錆が浮いてきていたのと、フォークブーツが劣化して破れてしまっていたためこれも汎用品に交換しようと考えたのが今回のオーバーホールの理由。フォークブーツは洗車の度に真っ黒いものがスポンジなどに付着していたので汚れかと思っていたが、実は劣化したゴムが分解したものだった。
また、どちらかと言えばこちらの方がメインの理由になるが、フォークオイルやオイルシール、亀裂の入っていたダストシールなども交換したかった。
交換部品
今回の作業で交換した部品は以下の通り。フォークブーツ以外はすべて純正部品とした。
純正部品
部品名 | 部品番号 | 金額 | 個数 | |
---|---|---|---|---|
1 | ロアーブラケットピンチボルト | 5RS-23346-00 | ¥259 | 4 |
2 | ガスケット(キャップボルトOリング) | 240-23114-00 | ¥313 | 2 |
3 | ガスケット | 1N1-23158-00 | ¥162 | 2 |
4 | シール,ダスト | 5JX-23144-00 | ¥1,015 | 2 |
5 | オイルシール | 5JX-23145-00 | ¥896 | 2 |
6 | メタル,スライド | 5JX-23125-00 | ¥756 | 2 |
7 | ピストン,フロントフォーク | 5JX-23171-00 | ¥896 | 2 |
交換した純正部品の実際の箇所
図上の青字の丸番号は、上のリストのそれぞれの番号に対応している。基本的には新品交換の指示がある部品に関しては新品に交換している。1番の部品は掲載していないが、ロアーブラケットピンチボルトといって、フォークを固定している2つのブラケットのうち下側のブラケットのボルト。単純に錆びてきていたので交換した。
購入した純正部品。上段の真ん中の2つはスライドメタル、またの名を「アウターチューブブッシュ」。サービスマニュアルとパーツリストで呼び名が違う。上の棒はメイクマンで購入したφ24mm、長さ90cm強のただの棒。これの使用方法は後述。
フォークオイルはYamaha G15を使用。
フォークブーツ
フォークブーツは純正が高かったため(いつものことだが)、DRCの汎用品をWebikeで購入した。今確認するとAmazonでも買えるようだ。なお純正部品の値段を確認したら、現在1本で4,223円(税込)となっている(もっと高かった気がするが)。もちろん左右必要なので2本で8,000円以上になる。
こちらは交換後のフォークブーツ。サイズで迷った記憶があるが、セローの場合「S」で問題なかった。
作業の様子
事前チェック
整備をする前に、元の形や部品の場所、ボルトの位置関係などを写真で記録しておくと後で結構役に立つ。というかこれは忘れっぽい私にとって整備に必須の事前準備となってしまった。
これがフォークブーツ交換前の様子。フォークブーツが左右ともに破れてしまっていた。
ぴったり戻せるというわけにはいかないが、しっかりと突き出し量も計測しておく。この写真では純正で1.5mmくらい(キャップの上辺まで)突き出ていることが確認できる。
作業開始
いきなりフォークが抜かれてしまっているが、作業としては前輪を浮かしてフロントホイール、マッドガード(タイヤにかぶさっているプラ部品)、フロントブレーキ、ホース類を取り外し、しかるべきボルトを緩めて下からフォークを抜き取る。ボルトを緩めた瞬間にフォークが落ちないよう注意する必要がある。
手前に見えているのが1番の部品のロアーブラケットピンチボルト。左右で合計4本ある。
インナーチューブ錆取りのようす
こんな感じでインナーチューブには両方とも錆が進行していた。
4番のダストシールにも亀裂が入っている様子がわかる。この時点でオイル漏れはなし。
いつもと違いフォークはベランダに持ち込めるので、近所の冷たい視線を受けずにのんびりと整備をする。
錆取りは、ピカール→電動ドリルに研磨剤しみ込んだバフホイールつけた奴→ネバダル→アフロ君→サンドペーパーの順で試したんだけど、結局研磨剤がしみ込んだバフホイールが一番効果が出た気がする。写真が一番残っているので多分そうだ。
電動ドリルに取付けができるバフホイールを購入した。すごく楽。
ああ楽ちん!
ほとんど出番のない石油臭いネバダルも使用したがあまり効果は出ず。
「サビとりアフロ君」唯一の現存する写真。電動ドリル先端に取付けて使用する。これしか写真が残っていないので、大した効果はなかったのだろうと思われる(思い出せない)。恐らく目が粗すぎて、フォークの錆取りには向かない。左側はバフホイールで、結果的にはこいつが一番重宝した。
完全には錆は落とせないが、大分マシになった。ここから3年半経ってまた少し錆が出てきたが、思ったよりもひどくはない。
フロントフォークの分解
1. キャップボルト、フォークスプリング等の取り外し
キャップボルト、スペーサー(15cmくらいの金属製の筒)、スプリングシート(ワッシャー)、フォークスプリングを取り外す。
緊張の一瞬。こんなところ開けるの初めて。
バネが入ってる!(当たり前)
2. オイルの排出
オイルパックリに古いオイルを吐き出す。
本来のイチゴ色に比べるとすごい色だ。これが8年分の汚れ。
しばらくはこのよう逆さにしてオイルを抜ききる。
3. ダストシール、オイルシールクリップの取り外し
フォークオイルが抜け切れたら、ダストシールとオイルシールを留めているクリップをマイナスドライバーを使って注意深く取り外す。
4. ダンパーロッドボルトの取り外し
ダンパーロッドを押さえる道具を自作
ここからさらにフォークを分解する作業には、ダンパーロッド(SM上で17番の部品)をインナーチューブ内で下方に押さえつけつつフォーク(アウターチューブ)底のダンパーロッドボルト(SM上で8番のボルト)を外す必要がある。押さえないと、ボルトが空回りしてしまうためだ(多分そんな感じ)。
サービスマニュアルではこのように「ダンパーロッドホルダー」を使用すると書いてあるが、数年に1度しか行わない作業でいちいち専用工具を買っていられないので自作した。
念のためインナーチューブの内径を測ると、31.2mmだった。
そこで、ここでもインパクトドライバー(電動ドリル)を使用したらすんなりと回ってくれた。今回の作業では、錆取りやボルト外しなど、インパクトドライバーが大活躍だった。(写真がダンパーロッドボルト)
5. オイルシール等の取り外し
下から2番目の部品がダンパーロッド。写真左側がフォーク下側になる。
これでだいたいフロントフォークはバラバラになったのだが、今考えるとフォークオイルの交換だけであればここまで分解する必要はまったくない。むしろ、オイル漏れなどが発生していなければダストシールとフォークオイルの交換のみにとどめておくべきかもしれない(特に専用工具を持っていない場合)。
2016年7月。左側のフォーク。オイル漏れが確認できる。これは2度目の全バラ後。結局この後もう1度フロントフォークを全バラすることになる。フォークオイルがブレーキにかかったら危ないかもしれない。特に左側。
フロントフォークの組み立て
1. インナーブッシュ等の組付け
基本的にはサービスマニュアルの通りに組み立てる。インナーチューブにダンパーロッドを組み付ける。
ここからは1年後、2016年7月の写真となる。
この写真では、見えている左側から「ワッシャー」、「アウターチューブブッシュ(スライドメタル)」、「インナーチューブブッシュ」。一番右側のプラスチックの部品は「スペーサー」。
・・・というか今気づいたのだが、上の写真は「スペーサー」が外に出てしまっているが、これは間違いだ。サービスマニュアルの図の通りに組み付けると、「オイルフローストッパー」(スペーサーの1つ左側のプラスチックの白い部品)の中にスペーサーがなくてはならない。ちょうど1枚上の写真のような状態となる。今から確認はできないが、まさか間違って組み付けていないだろうな・・。
2. ダンパーロッドボルトの締め付け
作業の本来の手順は、「ワッシャー」と「アウターチューブブッシュ(スライドメタル)」を組み付ける前にダンパーロッド組み付け済みのインナーチューブをアウターチューブの中に入れ、ダンパーロッドボルトを締め付ける。ここでは再度棒切れを活用した。
3. アウターチューブブッシュとワッシャーの打ち込み
「アウターチューブブッシュ(スライドメタル)」→「ワッシャー」の順番でフォーク上からスライドさせて入れる。
サービスマニュアルによればここで「フォークシールドライバーウエイト」という専用工具を用いてスライドメタルとワッシャーを打ち込むのだが、やはりケチってしまい塩ビパイプで代用した。
オイル漏れの原因?
もしかしたらこれがオイル漏れを引き起こした原因かもしれない。というか、この段階での打ち込みをちゃんとやったか思い出せない。だとすると、これがオイル漏れの原因の可能性が高い。あるいは、打ち込みが足りなかったか。記事を作成していると改めて気づくことが多い。
3の手順(ダンパーロッドボルトの締め付け)の後の4の手順において、さらっと専用工具を使用する記述があるが、あっさりし過ぎており見落としたかもしれない(というかどこまで打ち込むかなどの記述もない)。
4. オイルシールの打ち込み
この後、5の手順でオイルシールを組み付けるのだが、その際の打ち込みはしっかりとやった記憶がある。
オイルシール打ち込みの前に、オイルシールにグリスを塗布したりインナーチューブの外側にフォークオイルを塗布する必要がある。
オイルシールの打ち込みがうまくいったら、オイルシールクリップを組み付ける。
これは作業前の写真(正常)だが、オイルシールが十分に打ち込まれていないと写真のようなアウターチューブ内部のオイルシールクリップ用の溝が現れない。よって、オイルシールクリップの組付けができないようになっている。このオイルシールがなかなか下がらず、自作のフォークオイルドライバーを上からハンマーでガンガン叩いて下げた。
自作フォークシールドライバーの紹介
ただのエンビパイプ。
このように先を少し削ってあまり部品にダメージがいかないようにした。もしかしたらサイズを合わせるために削ったのかもしれない。いずれにせよ、このサイズでフォークにはぴったりだった。
インナーチューブの外径が36mmというのは計測済みだった。
5. ダストシールの打ち込み
ダストシールは打ち込みと言ってもオイルシールと違い、はめるだけだった気がする。
これがダストシール。ここまで来ると一安心。
5. フォークオイルの補充
フォークオイルを注入する。
6. スプリング等の組付け
最後に以下の部品を組み付けて終了。番号は上記フロントフォークの分解図に対応。
- フォークスプリング(5番)
- スプリングシート(4番)
- スペーサー(3番)
- フロントフォークキャップボルト(1番)
※キャップボルトのOリング(2番)は新品に交換した。
作業の感想
この作業では、専用工具が2つも必要になったりと結構大変だった記憶がある。また、作業終了後にもオイル漏れのトラブルに何度も悩まされて結局最初の作業後2度も分解作業する羽目になった。
最初の作業から約1年後、両側からオイル漏れを発見した。この時はとりあえず部品交換は行わなかった(チェックがてらオイル交換のみ)が、作業後も左側のみ漏れが止まらずにその後の最後の作業(2016年8月)にブッシュ類やオイルシールを交換(左側のみ)してやっと漏れは落ち着いたのだった。
今年の4月にも左側から漏れらしきものを発見したが、見て見ぬふりをしている。まあそのうちまたやるか。記事にまとめたので問題点がなんとなくよりハッキリとした気がする。
おわり
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