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クロスカブ110(JA45)の前後ホイールの脱着

バイク整備

明けましておめでとうございます。しまちゃんです。

今日は元日だが、私にとってはいつもと変わらない休日。ゆっくり目に起きて、昼頃からクロスカブの前後ホイールの脱着及び給脂を行った。

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今日の作業について

ホイールの脱着はバイクの基本的な整備のうち、比較的よく行うもの。チェーンを交換したり、スイングアームを外したり、タイヤやブレーキドラムを交換したりする際に真っ先に必要となるのがホイールの脱着作業。

今日は特にホイールを外した後の整備的な用事はないけど、作業に慣れておくためと給脂のために作業を行うことにした。ドラムブレーキのバイクのホイールの脱着は初めて。

作業にあたり注意すべき点も数か所発見できたので共有したい。

前後ホイール脱着で必要だった工具

  • 10mm、12mm、14mm、17mm、19mmの各レンチやソケット
  • 2番ドライバー(一般的なサイズ)
  • ペンチ ※ラジオペンチが行方不明なので普通のペンチだけど、ラジオペンチの方がベター。
なお、フロントホイールの脱着には19mmと14mm、リアホイールの脱着には19mmと17mm、チェーン調整用のロックナットとアジャストナットにはそれぞれ12mmと10mmがセットで必要です。※片方で押さえて片方で回すという作業が必要なため。
意外と必要な工具が多かったという印象。

フロントホイールの脱着

まずはよりシンプルなフロントホイールの脱着からスタートした。

1. ブレーキケーブルとスピードメーターケーブルを取り外す

ブレーキケーブル

基本的に、ホイールの脱着には前後ともケーブルの脱着も伴う。フロントであればスピードメーターケーブルとブレーキケーブルの取り外しがまず必要。

ブレーキケーブルの脱着に特に工具は必要ない。スプリングで圧がかかっている金具(ブレーキアーム)の部分を右に指で押してやりながら、アジャストナットを指で左回転で回して外す。

アジャストナットが外れると、ケーブルが取れる。


なおこの写真の「ジョイントピン」とアジャストナットはめちゃくちゃ大事。パンクなどで外出先で作業をしなければならない時など、この二つの小さな部品を排水溝などに落としてしまえばブレーキが使えなくなるので即行動不能となる。

スピードメーターケーブル


まずはこのネジを外す。位置確認用の白いマーカーが見えるが、ホイールを取り付けるときにはなぜか消えていた。


引っこ抜くだけ。外して分かったんだけど、この形状、スーパーカブ110とも110プロとも違うみたい。突起がケーブル側についていない。


穴の内部に突起がある。ケーブルを取り付けるときはこの穴の中の突起と


ケーブル内部の溝を合わせてやる必要がある。

メーターケーブルを取り付ける際は、この穴の内部の突起とケーブル側にある溝を合わせてやる必要があります。合わないままでもケーブルは固定でき、ネジも最後まで回せますが、引っ張るとケーブルが抜けます。※恐らくメーターも反応しないはず。
しっかりと奥まで入った状態でネジで固定するとケーブルは抜けません。


ここまで入っているのが正しい状態。

2. フロントアクスルを取り外す

2本のケーブルを取り外したら、アクスルシャフトを抜く。


車体左側が19mmのナット側。こちらを緩める。ちなみに右側は14mm。右側は共回りしないよう押さえるだけ。


後輪用に買った角度のないフラットな19mmメガネだけど、フロントだとサスと干渉しそう。フロントは作業スペースがあるのでラチェットの方がやり易い(今気づいた)。後輪はマフラーが邪魔でラチェットや角度付きのレンチは使えないのでこのレンチを使用する。


初めてなので慌てずゆっくりと抜き取る。なお、フロントアクスルはまったく油っ気がなかった。


初ホイール外し。


フロントホイールを外すと、車体はセンタースタンドを基点に後ろ側に傾いて自立した。キャリアを積んでいるからその重さのせいかもしれないけど、多分ノーマルでも後ろ側に傾きそう。つまりフロントフォークを支えるための木片などはいらない。

フロントホイールを外しても、車体は後ろに傾いて自立するので特に支えなどの対策は必要なし。

セローの時もそうだったけど、ホイールについているこのカラーがホイール脱着の際に落ちないよう気を付ける必要がある。

掃除&給脂

各部の簡単な掃除やグリスアップを行った。ブレーキパネル(ブレーキシューが入っている部分)は今回は面倒臭いので分解せず。シュー交換の時にやろうかな。


このブレーキパネルという部品は何も固定されておらず、ホイールを取り外すとポロリと外れてしまうので注意が必要。


内部にはシューの粉が少し溜まっていた。汚れというよりも本当に「粉」。パーツクリーナーで掃除。ベアリング部分は触らず。


ブレーキシューと、内部に見える白いのがスピードメーターギヤ。


経験不足でブレーキシューの摩耗の程度が分からない。


汚れているのは掃除した。本気でやっていないけど、これ、シューはどうやって外すんだろう?


スピードメータの歯の部分は比較的多めのグリスが封入されていた。


回りの黒いリップ部分や内部の歯などにはグリスを少し塗布しておいた。

いつものグリス。


アクスルシャフトにも。

フロントホイール取付け時の注意点など

フロントフォークとブレーキパネルの位置を合わせる


フロントフォークの突起とブレーキパネルの溝を合わせる。

アクスルを通す際は両足の甲で持ち上げながら


両足の甲でホイールを持ち上げながら、アクスルシャフトを差し込んでいく。カラーも忘れずにつけた上で。


これがカラー。

メータケーブルを適切に装着する


上に書いたように、スピードメータケーブルの装着に注意が必要。中の突起と溝を合わせた上で、ちゃんと奥まで挿入してからネジ止めする。

最後にアクスルシャフトをナットで締結して完了。ブレーキの調整も必ず行う(これを忘れると死ねる)

フロントアクスルナット締結トルク:59Nm

リヤホイールの脱着

リヤホイールはスピードメータはないけど、チェーンやスプロケ、トルクリンクなどもあるのでちょっと面倒。事前準備として、チェーンケース(カバー)は外しておく。

1. ブレーキロッドとトルクリンクの取り外し

ブレーキロッド


リヤのブレーキはケーブルではなくロッド。スプリングも外す。しかしこれが楽勝かと思いきやなかなか外れない。具体的には、ピンを手で回して外してもロッドが十分右側に行かず、外れない。


というわけで、考えた末取り外し時も取付け時も右足でブレーキを踏みながら行ったら何とかできた。

トルクリンク


こいつのこと。まずはこのコッタピンを外す必要があるが、私はペンチで曲げて外した。取付け時もまた同じように曲げただけ。


外れたコッタピン。なくさないように気を付ける。しかしこれ必要?


ここのナットは12mm。ナット、ワッシャー、ゴムブッシュ(シートラバー)の順でついている。


ナット等が外れたらこのトルクリンクを外すんだけど、少々手前に引っ張ってやらないと外れない。

2. リヤアクスルの取り外し

左側を17mmで固定しつつアクスルナットを19mmで緩め、リヤアクスルを外してホイールを取り外す。

チェーンアジャスタを緩めておく

このチェーンアジャスタとロックナットを緩め、車体後端側に十分寄せておく。ここは10mm(ロックナット)と12mm(チェーンアジャストナット)を使用。左右とも作業する。

リヤアクスルをゆっくり引き抜く

リヤアクスルを引き抜く際には、両足をホイールの下にあてがい足の甲で少し持ち上げるようにするとうまくいき易い。

アクスルシャフトを引き抜く際に、このカラーや


この右側のチェーンアジャスターが支えを失って落ちるので、何か下に置いておいた方がいいかもしれない。

チェーンをスプロケから取り外す

チェーンの取り外しはこのタイミングでOK。

3. ホイールの引き抜き-ちょっとコツが必要

ここまで取れればあとはホイールを取り外すだけだが、フロントと違いリヤは周りに障害物が多いため完全に取り外すにはちょっと工夫が必要。※ブレーキシューを交換するだけなら完全に外す必要はない。


まず、左側のカラーは取り外しておく。

ブレーキパネルを取り外した上で右後ろからホイールを抜く

こんな細かいことはサービスマニュアルに載っていないが、載っていないために実際困ることが結構ある。

知恵の輪のようになってしまいなかなかリヤホイールが外れないため、最終的にはブレーキパネルを最初に外してしまい、少しクリアランスが広くなったところで車体の右後ろからホイールを引き抜いた。入れるときは逆でOKだった。


これが取り外したリヤのブレーキパネル。フロント同様支えを失うとパカリと外れてしまう。


ここのクリアランスは十分。


なんとか外れた。なおフロント同様、ホイールを外しても後ろに傾くことはなく、センタースタンドで安定して自立してくれた

各部のチェック、清掃・給脂など

アクスルシャフト


フロントと違い、リヤのアクスルシャフトはグリスが塗られた形跡があった。一応掃除してから新しいグリスを塗布。

ブレーキパネル

ブレーキパネル内部やブレーキシューは、フロントよりもきれいだった。

ダストシール

ダストシールも少しグリスを塗布。

カラー

カラー(左側)にもグリスを少し塗布。

リヤホイール取付け時の注意点など

左側チェーンアジャスターを忘れない


アクスルシャフトを通す前に、必ず左側チェーンアジャスターを先に通しておく。忘れそう。

ホイールを入れてからブレーキパネル装着


外す時同様、ホイールを入れてからブレーキパネルを装着すればいい。

ホイールを持ち上げながらアクスルを通す


チェーンをスプロケに掛けた後、両足の甲でホイールを持ち上げながらアクスルシャフトを通してゆく。


チェーンアジャスターもこの溝にちゃんと入れる。

ブレーキロッドの装着はブレーキを踏みながら


ここはやはり装着しずらいので、ブレーキを右足でいっぱいに踏みながらクリアランスを確保してロッドをピンの穴にはめる。その後、必ずブレーキの調整を行う。

最後にチェーンの張り調整も必ず行う


チェーンの張りも当然狂うため、調整は必須。調整のコツなどは別記事にまとめようと思う。

締結トルクなど

リアアクスルナット:59Nm
トルクリンクナット:22Nm

トルクリンクナット
おわり

コメント

  1. aki より:

    はじめまして。
    ホイール脱着の参考に拝見させて頂いています。
    リアハブのトルクロッドの割りピンについて先日の私の体験です。
    中古の先代クロスカブを購入し、納車から10日ほど経った頃、走行中にトルクロッドとハブを結合するボルトが脱落していて、ブレーキを踏んだ瞬間にハブが回転しブレーキロッドを巻き込み破断するトラブルが起きました。
    幸い発進直後のため安全に停止出来ました。
    その後、購入店に持ち込み脱落の原因を調査していた際、納車直後に車体を撮影した写真を確認するとたまたまトルクロッドのボルト部が写っており、ボルトの先に割りピンが付いていない事が確認出来ました。
    この止めボルトにはゴムと平ワッシャーだけなのでナットを留める力が弱く、割りピンが無いと振動でナットが脱落する可能性が十分考えられるとの事で、謝罪の上、無償修理にて対応してもらっています。
    走行距離にして市街地を300kmほどで発生したので、ホイール脱着の際には是非付け忘れの無いようご確認ください。
    長文失礼致しました。

    • しまちゃん しまちゃん より:

      こんにちは。
      あそこの割りピンはそんなに大事だったんですね!
      めちゃくちゃ参考になりました。ありがとうございます。
      自分も今後、洗車の時なんかに緩んでいないかチェックしようと思います。
      (大事に至らなくてよかったですね・・。)